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第二回Student Session
2021/09/28
量子インターネットの研究開発を皆で推し進め、また、学生の皆さんにもQITFの活動に積極的にご参加頂くため、学生セッションを開催します。 本セッションは公開セッションです。ご興味のある方は以下の参加フォームからお申し込みをお願いします。
参加フォーム:リンク
QITF 第二回 Student Session (公開)
Venue:オンライン開催
Date:10月1日(金) 16:00-19:00
- 16:00-16:05 挨拶
- 16:05-16:35 名古屋大学 ルガール研究室 宮本昌幸さん
タイトル:分散計算における誘導サイクル発見問題の下界
概要:近年、1ラウンド毎の通信量が制限された同期的分散ネットワークモデル(CONGESTモデル)における部分グラフ発見問題が盛んに研究されている。本研究では特に誘導サイクルに注目し、必要なラウンド数の下界を証明する。この結果によって部分グラフが誘導の場合と非誘導の場合のラウンド数に大きな差があることが初めて分かった。発表では、証明の詳細には立ち入らず、計算モデルと結果の説明及び量子CONGESTモデル(CONGESTモデルの量子版)における関連研究の紹介を行う。 - 16:35-17:05 東京大学 武田研究室 米津 和真さん
タイトル:ループ型光回路を用いた1モードガウス型量子ゲート
概要:光量子コンピュータにおける従来の問題は,複数ステップの量子計算を行う際に素子数やスペースが膨大になることや,異なる計算を行う際に光回路を組み替える必要があること(非プログラマブル)であった.今回,我々は文献[1]で提案されたループ型回路のプロセッサとなる光回路を用いて,1 つの回路で複数ステップかつプログラマブルに 1 入力 1 出力の連続量のゲートが実装できることを実証した[2].
[1] S. Takeda and A. Furusawa, Phys. Rev. Lett. 119, 120504 (2017).
[2] Y. Enomoto, et al., arXiv:2105.02447 (2021). - 17:05-17:35 国立情報学研究所 根本研究室 西尾真さん
タイトル:量子多重通信路を用いた高次元量子Reed-Solomon符号のリソース削減
概要:量子通信技術は近年目覚ましい発展を遂げており、将来的に量子情報処理において重要な役割を担うことを期待されている。しかしながら、高品質な量子通信の実装は光子の損失をはじめとする誤りによって困難であり、多くのリソースが必要となる量子誤り訂正符号を用いる必要がある。量子Reed-Solomon符号は、光子の損失を伴うような量子通信路で利用できる効率的な符号の一つである。また、光子の複数の自由度(偏光、時間ビンなど)を利用する量子多重化と呼ばれる技術によって、様々なアプリケーションの光子や量子ゲートなどの資源を削減できることが知られている。本研究では、量子多重化を用いることで、量子Reed-Solomon符号の符号化・復号に用いる量子回路を効率的に実装できることを示す。 - 17:35-17:45 休憩
- 17:45-18:15 東京大学 中村研究室 砂田佳希さん
タイトル:超伝導量子ビットを用いた伝搬マイクロ波光子の高速生成
概要:超伝導量子コンピュータの大規模化にあたっては,超伝導量子ビットを集積化したモジュールを複数用いる分散型アーキテクチャが有利である.モジュール間の通信方法として,同軸線を伝搬するマイクロ波光子を媒体とする量子通信が実証されている.本講演では,伝搬マイクロ波光子の送受信を高速化するために考案したデバイス構造と,それにより可能になったもつれ光子列の生成実験について紹介する. - 18:15-18:45 メルカリ 寺元健太郎さん
タイトル:世界で最も手軽に試せる量子インターネットシミュレータ QuISP の紹介
概要:QuISPは離散イベントシミュレータフレームワークであるOMNeT++を利用した量子インターネットシミュレータである。QuISPプロジェクトの一環として、ウェブブラウザ上で本シミュレータを手軽に動かすことができるようにした。本発表では、 実際に聴衆とともにQuISPを動かしながら、すでに提案されている量子インターネットのプロトコルについてみていく。本シミュレータに物理系等が持つパラメータを入力することで、来る量子インターネットの性質を予測することが可能になる。本発表では、光ファイバーの距離やエラーレートを入力し、通信レートやfidelity が出力される様子を見ていく。 - 18:45-19:00 バッファ